刈込み剪定の光と影
刈込み剪定の紹介です。
写真はウバメカシの生垣です。
ウバメカシは発芽力が旺盛で、あっという間に伸びるので
バリカンで刈込剪定がメインとなります。
長年、刈込みだけで管理していると幅も高さも出てきます。
この生垣は平均、1mの厚みがあり200㎡ある敷地の40㎡分を占領している形です。
勿体ないですね。
最初から上手く手入れすれば、30センチくらいの厚みで 10㎡ほどしか必要ないのですが、、
ほとんどの庭師やシルバーの方は刈込み剪定のみなので、写真の①のように、
葉がそろって綺麗に切りそろえます。
綺麗に見えますが、発芽力が旺盛なので、それだけでは 徐々に大きくなります。
大きさを維持、または小さくするには写真②の部分のように枝の間引いて
日光が幹や枝に当たるようにします。
すると内側から枝が発生するので、それを生かして来年さらに小さく剪定できます。
といっても、今年から来年にかけて伸びる枝もあるので、少しづつですが。
特に解りやすいのがカイズカです。
カイズカの断面写真です。
長年同じ場所で刈込剪定を続けると枝が密集してきます。
①の部分に枝が密集すると日光がフトコロに入らず
②の部分の小枝が全て枯れてしまっています。
こうなると①の部分でしか剪定できなくなります。
②の部分に葉を出すには、①の部分の枝を間引いて②の部分に日光を入れてやり
②の部分に葉を発生させて翌年にそれを生かして①の部分をカットする
という手順が必要です。
刈込み剪定だけ と比べて、かなりの手間と枝の処分量になります。
これまで安易に刈込み剪定だけで手入れしていたツケと言いましょうか、、
夏休みの終わりのように、枝にたっぷり宿題を貯めていたという感じです。
この木の生理を理解して丁寧に剪定している業者は、
造園、シルバー、セミプロを合わせて1割もいないと思います。
解っているけど、そこまで手を入れない業者は3割くらい
半分くらいの業者は 「ん?何いってんだ?」 だと思います。